剪定鋏 飛龍 飛塚製鋏所

飛庄の飛龍

山形県は打刃物が有名、古くは南北朝時代から始まり、江戸時代には時の藩主に優遇され刀剣の名匠も排出しているそうだ。その流れは明治以降は農具、剪定鋏や包丁などに移っていった。

飛塚製鋏所

今では少なくなってしまった打刃物の工場。その中でもいまだ手作りにこだわっているのが、飛塚製鋏所だ。和風総本家でも紹介された。園芸用の鋏をメインに作っている、海外の園芸家も好んで使っている知る人ぞ知る製鋏所だ。2017年の初めにさくらんぼの剪定講習に山形までいき、一緒に行った人たちが連れていってくれた。

それまで存在をも知らなかったのだが、道具好きの僕としては願っても見ない経験で、ウキウキしながら見学させてもらった。

工場見学

たまらん、そりゃー買うでしょ!!
と言うことでその場で購入を決定!!なんと2月に頼んでくるのは10月と言う注文具合。
到着したのは11月に入ってから10ヶ月以上待った
俺の飛龍!


鋏を握ると柄のバネが反対側にあたりとかすかに「チッ」と鳴る。その音がなんとも心地がいい。道具に技術が伴っていないかもしれないが、そんなことはどうでもいい。自分が気持ちよく仕事ができるかうどうかだ、これは陶酔できる音だ。

切れ味も悪くない、高い鋏だったけれど研ぎが5回ついての金額だった。
この飛龍は特殊でいわゆる合わせがない。 普通の鋏は2枚の刃が交わった部分が閉じていくことで間に挟んである紙や布などが切断されるしくみである。この時刃同士が触れ合う、それを合わせという。
飛龍の場合は切り刄と受け刄がが触れ合わず隙間が空いている。
そのため抵抗が少なく摩耗を防いでくれる。通常の鋏と違って紙などは切れにくいそうだ。